機関誌「非破壊検査」 バックナンバー 2015年2月度

巻頭言

「高温構造物・材料の超音波非破壊検査法について」  村山 理一

  高温構造物・材料の非破壊検査は,長年にわたって非破壊検査の主要な課題として位置付けられて きた。例えば原子力発電所等の大型エネルギープラントや鉄鋼業等の金属素材の製造プラント,更に は複合材料の製造プラント等において数百度以上の高温状態で連続的な操業が行われていることから, その製造設備の安全運転のためのモニタリングや,製品の早い段階での品質評価あるいは品質の維持・ 向上のためのオンライン評価技術等,高温構造物・材料に対するニーズは実に多様で,重要なものが 多い。
 そのため,いろいろなセンシング技術を用いた様々な取り組みがなされており,その中で超音波を 用いた取り組みについても,超音波センサを高温領域で安定的に使用するために多くの課題がある中 で,種々の高温用超音波センサの開発や運用の仕方により適用に向けた取り組みが長年なされてきて いる。
 この高温構造物・材料に超音波センサを適用する課題の解決策として,直接,超音波センサを被検材 に接触させない非接触超音波センサが検討されてきており,例えば電磁力を利用した電磁超音波セン サ,レーザ光を利用したレーザ超音波法が世界中の多くの研究者によって研究・開発されている。そ の成果の一部は,この非破壊検査の雑誌でも何度か紹介されており,実用化例としても,鉄鋼プラン トでの熱間圧延材料のきず検査や原子力発電プラント内の検査システムが紹介されている。また空中 超音波システムについても,最近の目覚ましい性能向上の結果,高温構造物・材料への適用検討が始まっ ている。
 また圧電材料を使った超音波センサにおいても,圧電振動素子を用いた超音波探触子と音響導波体等 の道具を組み合わせることによって,高温問題をクリアする試みも常に検討され続けられている。さらに 高温領域での使用を目指して,圧電材料の組成の検討から,製造方法まで様々な角度からの研究・開発 が進められており,近年特にその成果が実を結びつつある状況である。  また光ファイバのように音響を検知可能で耐熱性に優れた材料を利用した高温用超音波(音響)セ ンサの開発も進んでいる。
 さて直近の非破壊検査63 巻12 月号でも特集記事として「高温環境における非破壊検査の現状と展 望」が発表されている。センシング技術として超音波センサに限定はされていないが,高温環境下で の非破壊検査に適用する種々のセンシングについて紹介がなされており,この特集記事を読んでいた だくと,超音波センサが重要な役割を担っていることをご理解いただけると思う。本特集記事と並べ て読んでいただくことにより,高温環境下での非破壊検査の重要性及び高温用超音波センサの開発が さらに理解いただけるのではと期待している。
 なお,本特集記事では,敢えて高温構造物・材料の非破壊検査用センサとして認識されている電磁 超音波とレーザ超音波を真正面から扱った解説記事を取り扱わなかった。理由は,これまでの過去の 特集記事との重なりを考慮したことと,これらの技術がより一般的な技術として認知され利用されて きていると認識したためである。また,それ以外に高温状態の非破壊検査に対応可能な超音波技術が あることを強調したいという狙いもあった。その狙いが,読者にうまく伝わることを願っている。  最後に,本特集号の企画にあたってご協力いただいた執筆者の方々ならびに関係各位に深く感謝申 し上げます。

 

 

解説 「高温構造物・材料の超音波非破壊検査法について」

高温物体の超音波センシングとその展望
   井原 郁夫   長岡技術科学大学大学院

Ultrasonic Nondestructive Sensing at Elevated Temperatures and its Prospective
Nagaoka University of Technology Ikuo IHARA

キーワード 非破壊検査,超音波,高温,材料評価,パルスエコー法,センサ



1. はじめに
 近年の非破壊センシング・評価手法の進展は目覚ましく,社会の様々なニーズに応えるべく新しい手法が開発されてい る。超音波法も例外ではなく,医療診断から産業応用に至る幅広い分野で超音波による非破壊センシング技術が効果的に 活用されている。超音波は弾性波の一種であり,原理上,いかなる物体をも伝搬できるという特徴があるため,物体内部 の様子を非破壊かつリアルタイムで捉えることのできる計測手段として重宝されている。特に,超音波の伝搬挙動は材料 のミクロからマクロに至る様々な特性を反映することから,実験室環境での物性評価から現場環境での検査・診断まで, その非破壊計測・評価法としての応用は枚挙に暇がない。一般に,超音波センシングは安全,簡便であり,比較的安価と いう長所も兼ね備えていることから,環境に調和した安全安心な社会を構築するための重要なキーテクノロジの一つとし て,今後の展開と活用が大いに期待されている。
 超音波センシングの今後の展開として過酷環境での応用が挙げられる。中でも,高温場での超音波センシングに対する ニーズは近年,非常に高まっている。例えば,工業製品の多くは高温での材料処理や加工プロセスを経て生産されている が,材料の変形挙動やその機能・強度特性が温度に強く依存することを踏まえると,そのような高温プロセスの非破壊的 かつオンラインモニタリングの重要性は容易に理解できる。そのようなモニタリングによって得られた情報を生産プロセスに フィードバックすることで製品の品質や信頼性の向上に繋がることは言うまでもない。また,各種のエネルギープラント では500℃を超える高温域で連続運転される重要機器や構造部材が多数用いられているが,それらの健全性や余寿命をモ ニタリング・評価することは,プラントの安全と経済性に直結する重要な課題となっている。このように高温構造物の非 破壊検査の重要性は強く認識されており,本誌の昨年12月号でもその特集が組まれている1)。本稿では,超音波法を用い た高温物体の非破壊センシングについて概説し,今後の展望を述べたい。

 

 

高温用薄膜積層型圧電超音波センサの開発と高温構造物への適用
   小林 牧子   熊本大学大学院自然科学研究科

High Temperature Multi-layer Piezoelectric Ultrasonic Sensor Development
and its Application for High Temperature Structures
Graduate School Sci. & Technol., Kumamoto University Makiko KOBAYASHI

キーワード 非破壊検査,パルス法,探触子,超音波,圧電素子



1. はじめに
 超音波による非破壊検査は,構造物の肉厚や内部の欠陥を観察でき,検査に要する費用も比較的低いため,非破壊検査 における主要な方法の1 つとして広く使用されているが,超音波における定期点検の際にはシャットダウンを行い,室温 の状態で構造物の診断を行うのが一般的である。もしシャットダウンを行うことなく,通常運転中もしくはそれに近い状 態で超音波による非破壊検査が行えた場合,シャットダウンの時間が短縮でき,結果としてコスト上昇を抑えつつ安全性 の確保も期待できる1),2)。電気エネルギーを機械エネルギーに変換できる圧電材料を用い,超音波振動子に高周波電圧を 印加することで超音波を発生させる圧電式が,超音波発生効率がよいことおよびシステムが簡単で比較的安価なことから 一般的であるが3)−5),高温で長期間運用することには困難を伴う。まず,非破壊検査用の圧電式超音波センサは,時間分 解能を上げるため,バッキング材といわれる振動を減衰させる材料を圧電材料の裏側に配置させることが多いが,バッキ ング材にはポリマーを使用することが多く,高温での長期使用における耐性不足や,セラミックスである圧電材料との熱 膨張係数の違いによるはく離の可能性が存在した。また,圧電材料と被検査物との間には,空気層の存在による超音波の 反射を防ぐため,カプラントと呼ばれるジェル状の物質を介在することが多いが,やはり高温での長期使用には不向きなもの が多い。キュリー点が高い圧電材料は単結晶で使用することが多いが,単結晶は機械的衝撃の他に熱的衝撃にも弱く,操 業中の過酷環境の使用が難しい,という問題もあった。非破壊用の超音波を発生する方法としては,圧電式の他にレーザ を用いるレーザ超音波や電磁力を用いる電磁超音波(ElectroMagnetic Acoustic Transducer;EMAT)も存在し,高温での 運用は圧電性より一般的に容易であるが6),7),費用や信号対雑音比において優位性のある圧電式による,高温で長期使用 可能な超音波センサの開発が望まれていた。
 そこで著者らはゾルゲル複合体による薄膜積層型圧電超音波センサの高温応用の開発を行った。ゾルゲル複合体は,ク ラックのない厚膜を作製する手法として,カナダのQueen,s大学で最初に報告された8)。薄膜積層型圧電超音波センサの 特徴として,①バッキング材なしで広帯域特性が実現可能であること,②優れた耐熱性,耐熱ショック性を保有すること, ③複雑な形状にも適用可能であること,が挙げられる。使用する圧電粉体により特性が異なるため,超音波トランスジュー サ作製ならびに工業分野における非破壊評価応用に関する研究開発をNational Research Council of Canada にて長年行い,特 にその中で特性のよいチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)/PZT,チタン酸ビスマス(BiT)/PZT,およびニオブ酸リチウム(LN)/PZT についてその超音波特性と工業応用に関する論文を発表してきた9)− 12)。本稿ではゾルゲル複合体による薄膜積層型圧電超 音波センサの作製工程を簡単に触れた後,近年熊本大学で開発された有望な新規圧電材料であるチタン酸鉛(PT)/PZT につ いて,その高温特性について他の材料と比較した後,BiT/PZT超音波センサによる亜鉛メッキ浴槽厚測定応用について説明 を行う。

 

耐熱型光ファイバセンサを用いた高温環境下でのAE計測
    長  秀雄/伊藤 寛明   青山学院大学理工学部機械創造工学科

Acoustic Emission Measurement at High Temperature with an Advanced AE
Monitoring System using Heat-resistant Optical Fiber Sensor
Faculty of Mechanical Engineering, Department of Science and Engineering, Aoyama Gakuin University
Hideo CHO and Hiroaki ITO

キーワード 耐熱型光ファイバ,AE 計測,高温腐食



1. はじめに
 アコースティック・エミッション法(AE 法)は,材料内部でのき裂の発生・進展による局部的な弾性ひずみエネルギの 急速な解放に伴い発生する弾性波(AE 波)を検出するもので,設備や構造物の健全性診断の一つとして用いられている。従 来,AE 波の検出には圧電型のセンサが広く用いられてきた。これは,感度が高いこと,取り扱いが容易であるためである。 しかしながら,機械的な振動を電気信号に変換していることから引火性物質を取り扱う環境では使用に注意が必要なこと, 電磁波ノイズの影響を受けることなどの問題も指摘されてきた。さらには,一般的に圧電素子として利用されているチタ ン酸ジルコン酸鉛は,300℃程度にキュリー点(圧電効果が消失する温度)が存在するため,一般的なAE センサは100℃以 上の環境での計測は難しかった。また,高温での圧電性がある素子を用いたセンサ1),2)では感度が低いことやケーブル などの周辺部品も耐熱化する必要3)があるが,必要な処理を施した耐熱AE センサは国内では複数の原子力発電所で使 われているようである。しかし,高温機器のAE 計測の多くの場合は,図1 に示すようなウェーブガイドと呼ばれる金 属製の中実丸棒を溶接等で被測定機器に取り付け,ウェーブガイドを自然または強制冷却することで,温度が低くなっ た反対側にAE センサを設置して計測する方法が用いられてきた。しかし,この方法では,AE 波形がウェーブガイドに よって著しく歪められるうえ,エネルギの一部しかウェーブガイドに導入されないため直接設置する場合に比べて信号 の波高値が低下し,評価できる内容は限定されると考えられる。
 一方,最近では光ファイバをセンサとするAE 計測システムが提唱されている。光ファイバを用いたAE センサとしては FBG(ファイバブラッググレーティング)を使用するもの4),5)と干渉を利用するもの6),7)が報告されている。光ファイバ の主要部分である石英の融点は,1500℃以上であることから高温環境での使用が期待できる。また,いずれの方式におい ても光ファイバをセンサおよび信号の伝送経路に使用していることから圧電素子の場合に問題になる周辺部品の耐熱化の 問題はなくなる。そこで,本稿では著者らが開発してきている耐熱型の光ファイバAE センサの特徴とそれを用いた測定 例について報告する。

 

電磁超音波−渦電流複合プローブによる高温環境オンラインモニタリング
    内一 哲哉/高木 敏行   東北大学流体科学研究所

Online Monitoring in High Temperature Environment by EMAT-EC Dual Probe
Tohoku University Tetsuya UCHIMOTO and Toshiyuki TAKAGI

キーワード 複合プローブ,電磁超音波探触子,渦電流プローブ,オンラインモニタリング,高温環境プローブ



1. はじめに
 それぞれの非破壊試験法は,長所と短所をあわせもつ。複数の手法を適用することにより,それぞれの手法の短所を補うこ とができれば,検査の信頼性を向上させることが可能である。原子力産業においては,超音波探傷試験と渦電流探傷試験は, 互いに補完する関係にあることが経験的に知られている1)。即ち,渦電流探傷試験は,探傷面の浅い表面開口き裂に対しては 非常に高い性能を示すが,深部のき裂に対しては表皮効果のために検出は難しい。一方,バルク波を用いた超音波探傷試験は, 被検査体の深部のき裂に対して高い性能を示すものの,表面き裂や表層き裂に対してはさほどではない。この超音波探傷試験 と渦電流探傷試験との相補性については,原子炉圧力容器の制御棒駆動装置の検査において実証されている2)。また,プラン ト配管の検査において,超音波探傷データと渦電流データを融合し,評価の信頼性を向上させる取り組みもなされている3)。
 超音波探傷試験と渦電流探傷試験との相補性に着目した複合プローブの概念についても,いくつか提案されている。Dixon らは,渦電流(EC)プローブと電磁超音波プローブ(EMAT)を複合させたプローブを提案し,鉄道のレール探傷検査への適 用可能性を検討している4),5)。プローブは,別々の渦電流プローブと表面波用EMAT プローブから構成されている。
 EMAT プローブは通常,高周波(rf)コイルと永久磁石から構成されている。rf コイルを,渦電流プローブとしても機 能する形に設計することができれば,単一構造の電磁超音波−渦電流(EMAT-EC)複合プローブが実現する。以上の概念 に基づき筆者らは,EMAT-EC 複合プローブを提案し,その検討を重ねてきた6)−8)。EMAT プローブおよび渦電流プロー ブは,ともに非接触プローブであり,接触媒質を必要としないため,高温環境モニタリングに適用した場合に安定してデータ を取得することが期待できる。モニタリングにおいては,通常プローブは対象物に固定されており,走査することができない ため,データ取得が制限される。複合プローブを適用することにより,プローブを固定したモニタリングにおいてもデータ融 合による高い評価信頼性を得ることが期待できる。
 本稿では,開発したEMAT-EC 複合プローブの概要と,配管減肉への適用例について紹介する。

 

高温用超音波探触子の開発と火力発電所高温機器への適用可能性
    中村  馨/樋口 貞雄   (一財)電力中央研究所

Development and Applicability of Ultrasonic Probes for High Temperature
Structural Components in Thermal Power Plants
Central Research Institute of Electric Power Industry Kaoru NAKAMURA and Sadao HIGUCHI

キーワード 超音波探傷試験,高温用探触子,構造用鋼,ボイラ,計算機利用



1. はじめに
 国内火力発電所において,累積運転時間が10 万時間を超える経年火力の割合は年々増加の一途を辿っており,耐熱合金 製の構造機器にとっては損傷の発生が懸念される。そのため,合理的な余寿命評価手法の確立が望まれている。
 構造機器内部の損傷状態の検査には超音波探傷が用いられている1)。超音波探傷は定期点検時に実施されるが,仮に運 転中に超音波探傷によるオンライン損傷モニタリングが可能になれば高温機器の信頼性の確保および定期点検間隔の合理 化による保守コスト低減につながると考えられる。
 超音波探傷では,圧電材料から構成される探触子より超音波を生じさせ,対象内部の状態を診断する。しかし,現状実 用化されている探触子材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)は,360℃程度で圧電性が消失するため,600℃程度の温 度下で使用される主蒸気管やボイラ管には適用できない。従って,運転中のオンライン損傷モニタリング実現のためには, 蒸気温度下でも圧電性を示す材料を用いる必要がある。しかしながら耐用温度に優れた圧電材料は概して圧電特性が高く なく,超音波探触子として用いる場合は探傷感度が悪い。従って新たな材料を開発する必要がある。
 当所では,これまでに高温用超音波探触子材料の候補を絞り込み2),高温下での安定性に優れたLiNbO3(ニオブ酸リチ ウム)を対象に,長時間使用下での感度安定性を評価してきた。更に圧電性を向上させる方策について理論計算を用いて検討 してきた3),4)。本稿ではまず,圧電物性が発現するメカニズムについて概説し,続いて高温用超音波探触子の候補材料に対 する評価研究について紹介する。最後に,第一原理計算を用いた圧電特性の向上方策に関する理論研究について紹介する。

 

海外情報

Ukrainian Society for Non-Destructive Testing and Technical Diagnostics (USNDT)
President, Ukrainian Society for Non-Destructive Testing and Technical Diagnostics
Vladimir Aleksandrovich TROITSKIY

 Ukrainian Society for Non-Destructive Testing and Technical Diagnostics (USNDT) is a national public organization, which unites specialists working in the field of non-destructive testing and technical diagnostics.
 The Society was established at the meeting of leading experts of the country, on October 28, 1990. Today Society,s divisions arefunctioning in all the regions of Ukraine.
 The main purpose of the Society is consolidation of the efforts of scientific and technical personnel working in the field of non-destructive testing and diagnostics, with the aim of comprehensively solving the problems of improving the quality and reliability of industrial products and facilities, information exchange, widening the co-operation and international contacts and protection of common interests.
 USNDT currently has more than 200 corporate members representing manufactures, laboratories, scientific and industrial research institutes, education establishments dealing with NDT including metallurgical, mechanical engineering, petrochemical, pipe, aircraft and shipbuilding companies.
 The President of the Society is Prof. V.A.Troitskiy,Department Head of the E.O.Paton Electric Welding Institute of National Academy of Science of Ukraine.
 The main activities of the Society are as follows:
・assistance to plants and organizations in performance of NDT and technical diagnostics;
・assistance in establishing NDT&TD laboratories and units;
・NDT personnel certification;
・facilitation of harmonizing the Ukrainian and European codes and standards;
・organizing conference, seminars and exhibitions;
・consulting and management of NDT&TD projects;
・performance of NDT&TD work on higher risk facilities;
・promoting international contacts of specialists;
・issuing books, manuals, journals, bulletins on NDT&TD.
 USNDT pays a lot of attention to contacts and co-operation with similar foreign societies. It is a full member of European Federation on NDT (EFNDT) and of International Committee on NDT (ICNDT), a number of bilateral agreements on cooperation were signed with the national NDT societies of Poland, Bulgaria, Croatia, Germany, Denmark, Italy, USA, Russia, Belarus, Moldova etc.
 Every three years USNDT organizes national NDT conferences and exhibitions. The Society provides informational support for all official events in Ukraine connecting with nondestructive testing, leads assistance in holding scientific seminars and workshops on new trends and advanced techniques in NDT area.
 The Society rendered assistance to State Standardization Organization of Ukraine in setting up the Technical Committee 《Technical Diagnostics and Non-Destructive Testing》, the aims of which are in tune with those of CEN/TC-138 and ISO/TC-135.  2002 USNDT set up a Certification Centre (CC) aimed to provide third-party NDT personnel certification. Currently the Certification Centre of USNDT is accredited by National Accreditation Agency of Ukraine according to ISO/IEC 17024:2012 as a personnel certification body carrying out certification in compliance of EN ISO 9712:2012 in 10 NDT methods: acoustic emission testing; eddy current testing;infrared thermographic testing; leak testing; magnetic testing; penetrant testing; radiographic testing; ultrasonic testing; visual testing. The certification system of the CC of USNDT consists of 7 training and 6 examination centers. CC of USNDT is open to all applicants not only in Ukraine. Its certificate holders are citizen of Poland, Portugal, Iran, Kazakhstan, Georgia, Armenia,Uzbekistan, Tadzhykistan and Moldova.

 

Multidirectional Local Magnetization of Extended Metal Structures in Magnetic Particle Testing
The E. O. Paton Electric Welding Institute of the NAS of Ukraine
Vladimir Aleksandrovich TROITSKIY

キーワード Magnetic particle testing, Applied magnetic field, Magnetic pole, Non-destructive testing, Defect, Movable magnetizing devices

1. はじめに
 Ultrasonic, eddy current or other NDT methods basically comprise the active search for defects by moving the transducers in different directions, at different levels of sensitivity. This is not possible in conventional magnetic particle testing (MPT). At the same time precisely magnetic particle testing is the most widely method for the detection of surface, sub-surface defects and fatigue zones of metal structures1),2). MPT objects are the parts and assemblies of different vehicles, cranes and machining equipment, etc. Series of standards3)− 6) are used in the MPT field. Some of them assume defect detection in applied or residual magnetic fields developed by the magnetizing devices (MDs) used for this purpose. In contrast to other methods of non-destructive testing, the MPT based on these standards cannot be used for continuous multidirectional searching of defects due to smooth changes of the magnetic flux direction which is used for the testing. The efficiency of the MPT can be increased by changing the direction of the tangential component of the magnetic flux during the defect searching. For the implementation of such MPT technology the movable MDs called the TVAs are developed. They permit to increase the speed and efficiency of the MPT.
 This article describes some of the TVA devices, which are applied in the industry.

 

磁粉探傷試験における各種金属の多方向からの局部磁化
Multidirectional Local Magnetization of Extended Metal Structures in Magnetic Particle Testing
    V. A. トロイツスキー教授   ウクライナパトン電気溶接研究所

キーワード 磁粉探傷試験,付加磁界,磁極,非破壊試験,欠陥,可動磁化装置



1. はじめに
 超音波探傷試験,渦電流探傷試験又は他の非破壊試験においては,基本的に種々の探傷感度で種々の方向にトランス デューサを動かすことによって,欠陥の検出を行っている。通常の磁粉探傷試験(MPT)においてはこのような方法は適 用できない。また,金属製構造物の表面,表面下の欠陥及び疲労が問題となる領域の検出には,精密な磁粉探傷試験が広 く適用されている1),2)。磁粉探傷試験の対象となるものは,種々の乗り物,クレーン,機械装置などの部品及び組立品で ある。磁粉探傷試験に対しては,一連の規格が用いられている3)-6)。その幾つかでは,この目的のための磁化装置(MDs) を用いて得られた磁界又は残留磁界を用いて欠陥を検出することを想定している。他の非破壊試験方法とは異なって,こ のような規格に基づいた磁粉探傷試験では,方向が変化をしているような欠陥を連続的に多方向から連続的に探傷するこ とはできない。磁粉探傷試験の効率は,探傷中の磁束の試験体表面に平行な成分の方向を変化させることによって上げる ことができる。このような磁粉探傷試験技術を適用するために,TVAs と呼ぶ可動式MDs を開発した。これによって,磁 粉探傷試験のスピード及び効率を向上させることができる。本稿では,工業的に適用されているTVA 装置の幾つかについ て述べる。

 

     
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